ふるさと納税の仕組みを解説|注意点や災害支援についても紹介

寄付 金融

「今年こそふるさと納税に挑戦したい!」「お得とは聞くけれど、いまいち仕組みがわからない」

そんなふるさと納税初心者の人に向けて、制度の仕組みや注意点などをわかりやすく解説します。

この記事で次のことがわかります。

  • ふるさと納税の仕組み
  • ふるさと納税の始め方
  • はじめる前に知っておいた方がよい注意点
  • 災害支援での利用について
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お得しかない!?ふるさと納税のポイントを解説

ふるさと納税とは、簡単にいうと「好きな地方自治体へ、寄付という形で税金を前払いできる」仕組みです。

ふるさと納税を理解するポイントは4つ!

  1. 寄付額に応じて地方自治体から返礼品が貰える
  2. ふるさと納税の上限額は収入や扶養家族の人数などで決まる
  3. 「寄付額−2,000円」は所得税の還付・住民税の控除が受けられる
  4. ワンストップ特例で確定申告不要

一つずつ解説します。

寄付額に応じて全国各地の返礼品が受け取れる

よく勘違いされますが、ふるさと納税に直接的な節税効果はありません。

本来なら翌年払うはずだった税金の所得税・住民税の一部を先に寄付で払うだけなので、トータルの納税額は変わらないためです。

では、なぜお得だと言われるのでしょうか?その最大の理由は、寄付額に応じて貰える「返礼品」です。

ふるさと納税では、寄付額に応じて各地の地場産品が”寄付のお礼”として受け取れます。

お礼の相場は寄付金額の3割以下と定められており、だいたい寄付額の2〜3割が相場。つまり、5万円を寄付すれば1万〜1万5,000円程度のお礼が受け取れます。

  • ふるさと納税をしない →ただ税金で支払って終わり
  • ふるさと納税をする →寄付金の3割程度の品がもらえる

「どうせ支払う税金なら返礼品があった方がお得」というわけです。

しかも返礼品は肉や魚、野菜、日用品、花や観葉植物など多種多様。トイレットペーパーなどの生活必需品を選べば、間接的な節税になります。

収入や家族構成でふるさと納税の上限額が変わる

ふるさと納税は本来納めるはずの税金の前払いです。ふるさと納税で前払いできる金額、いわゆる「控除上限額」は年収や家族構成などによって異なります。

【例】 会社員Aさん 会社員Bさん
給与収入 400万円 400万円
家族構成 独身 共働き、高校生の子ども1人
ふるさと納税の控除上限額 41,000円 32,000円

※保険料控除などは考慮しない場合

上限額のざっくりとした傾向は下記の通り。

  • 高収入で税金を多く納めている人ほど控除上限額は増える
  • 扶養控除や保険料控除、iDeCoなど控除をたくさん受けている人ほど控除上限額は減る

よってふるさと納税をする前に、昨年分の源泉徴収票や確定申告書などを元に目安の控除上限額をシミュレーションしましょう。

例えば、さとふるならこちらの「ふるさと納税控除上限額シミュレーションのご案内」でできます。

ただし、昨年と本年で収入など諸条件が異なる場合は上限額も前後します。実際に適用される上限額は年度末にならないと確定しないため、その点はご留意ください。

「寄付金−2,000円」が所得税・住民税から控除される

税金の前払いと書きましたが、正しくは「ふるさと納税での寄付金−2,000円」が所得税と住民税から控除されます。

この2,000円はふるさと納税の手数料のようなものだと思ってください。上限額が高い人も安い人も、必ず一律でかかります。

この2,000円を払った上で、ふるさと納税は下記の計算で税金が控除されます。

  1. 所得税分:(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
    ※総所得金額等の40%が上限
  2. 住民税分:(ふるさと納税額-2,000円)×10%
    ※総所得金額等の30%が上限
  3. 住民税の特例分:(ふるさと納税額-2,000円)×(100%−10%−所得税率)
    ※住民税所得割額の20%を超える場合は「特例分=(住民税所得割額)×20%」で計算

※復興特別所得税は考慮していません。

1〜3を合算すると、ぴったり「ふるさと納税額-2,000円」が差し引かれる計算になります。これが税金の前払いと言われる理由です。

なお、所得税は還付金で、住民税の分は減額の形で戻ってきます。

(参考:総務省「ふるさと納税ポータルサイト」より」

ワンストップ特例なら確定申告不要

ふるさと納税は、寄付しただけでは適用されません。有効にするには確定申告が必要です。

しかし、会社員などで年末調整がある人はワンストップ特例が使えます。

ワンストップ特例の特徴

  • ワンストップ特例申請書を寄付した自治体へ提出
  • 来年の住民税から自動で寄付分が差し引かれる(所得税の還付はなくなり、全額住民税からの控除になる)
利用の条件

  • もともと確定申告や住民税申告が不要の人(個人事業主や副業などで確定申告する人は利用できない)
  • 寄付先が5自治体以内

特例の利用は申請書類と本人確認書類を送るだけで済むため、確定申告が面倒な人におすすめです!


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ふるさと納税サイトで簡単に始められる

では、実際にどうやってふるさと納税を始めればよいのでしょうか?

始め方は非常に簡単!ふるさと納税サイトを利用しましょう。

ふるさと納税サイトとは、各自治体の返礼品と必要な寄付額が掲載されているポータルサイトです。ほとんどのサイトでクレジットカードが使えるため、まるでネットショッピングをする感覚で寄付ができます。

おすすめサイト 特徴
さとふる 返礼品の発送スピードが早く、また発送予定日もマイページから確認できて便利。レビュー数も多く、初心者でも寄付先を選びやすい。
(運営会社:ソフトバンクグループ)
ふるなび 寄付額の1%分のアマゾンギフト券コードが付与される。電化製品や旅行券・お食事券などが多め。
(運営会社:アイモバイル)
楽天ふるさと納税 寄付額の1%分の楽天ポイントが付与される。キャンペーンと併用するとさらなるポイントアップの可能性が。
(運営会社:楽天)

上記の他にもふるさと納税ポータルサイトはいくつかあります。

ポイントで還元されたり、独自の返礼品が載っていたりと各々特徴があるため、使いやすいサイトを選んでください。

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ふるさと納税の注意点

お得しかないと言えるふるさと納税ですが、知っておくべき注意点がいくつかあります。

  • 確定申告をするとワンストップ特例は無効になる
  • 住宅ローン減税に影響が出る可能性あり
  • 控除上限額を超えると自己負担額が増える

それぞれ解説します。

確定申告をするとワンストップ特例は無効になる

ワンストップ特例を利用していても、医療費控除などで確定申告が必要になる年はありますよね。

確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になります!改めて寄付金控除欄の記載が必要なので記入漏れにご注意ください。

また、確定申告の際は「寄付金受領証明書」か「寄付金控除の証明書」が要ります。発行方法をご利用のふるさと納税サイトで確認しておきましょう。

なお、もしも寄付金控除の適用を忘れてしまっても、過去5年分までは申告できます。詳しくはお近くの税務署にお問い合わせください。

住宅ローン減税に影響が出る可能性あり

ふるさと納税と住宅ローン減税は併用できますが、下記の人は要注意!

  • 確定申告が必要な人
  • ローン開始1年目で確定申告必須の人

というのも、確定申告によりふるさと納税を適用させると所得税額に影響がでるためです。

住宅ローン減税は、所得税からローン残高の1%が控除される仕組みです。

ふるさと納税により課税総所得が少なくなると、所得税額も減りますよね。住民ローン減税の控除額より所得税が少なければ、残りは住民税へ適用されます。

しかし住民税への適用には上限額があるため、下手をするとローン減税が満額適用されない可能性が出てくるわけです。

よって住宅ローン減税を受けたい会社員の人は、ワンストップ特例を利用しましょう。全額住民税から控除になるため、所得税への影響はありません。

そして確定申告が必須の人、またはそもそも所得税だけでは住宅ローン控除に残額が発生する人は、念入りにシミュレーションをしましょう。

例えばふるさと本舗の詳細シミュレーターなら、ふるさと納税を行ったときの住宅ローン控除への影響が調べられます。

控除上限額を超えると自己負担額が増える

もし控除上限を超えて寄付してしまった場合はどうなるのでしょうか?端的にいうと、自己負担額が2,000円以上になります。

とはいえ、超過分のすべてが自己負担になるわけではありません。ワンストップ特例や確定申告で「寄付金控除」が受けられます。

所得税還付が受けられる分だけ確定申告の方が少し戻りが大きくなります。万が一超過した場合は確定申告を検討してみてください。

なお、ふるさと納税は年末ギリギリまで寄付できます。その年の寄付上限額が正式に確定するまで待って、最後に駆け込み寄付で調整するのが最も確実な方法です。


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ふるさと納税でよくある質問

ここで、ふるさと納税でよくある質問をまとめます。

Q1.「クレジットカードで納税するとポイントは貯まるの?」

クレジットカードの還元率分きちんとポイントが貯まります。それに加えて独自のポイント制度があるサイトもあるため、うまく活用できれば非常にお得です!

例えば「楽天ふるさと納税」だと、楽天カードと各種キャンペーンの利用で最大30%のポイント還元も可能です。

Q2.「個人事業主の控除上限額は会社員と同じ?」

所得に対する控除上限額の計算方法は同じですが、収入で考えると違います。

というのも、会社員と個人事業主では収入に対する所得の計算が異なるためです。

個人事業主の場合、収入と家族構成だけの簡易シミュレーションは使えません。個人事業主向けの詳細シミュレーションを使いましょう。

→「ふるさと本舗 個人事業主向けシミュレーション

Q3.「上限いっぱいで寄付した後に、転職をして年収が下がってしまった。寄付の上限も下がった場合は、その差額はどうなるの?」

残念ながら、差額分は控除されません。

ただし、寄付金控除申請ができるので差額分すべてが損になるわけでもありません。確定申告をして、少しでも取り戻しましょう。

Q4.「副業している場合はどうなるの?」

副業による所得も含めての計算になるため、控除上限額が上がる可能性があります。

ふるさと納税の控除上限額の計算は、FXや仮想通貨などの雑所得、事業所得など所得税の課税対象所得を全部含めて算出しましょう。

Q5.「給与所得+個人事業など複数の所得がある場合で、個人事業が赤字の場合はどうなるの?」

控除上限額が減る可能性があります。

というのも、Q4に書いた通り控除上限額は所得の合算で計算されるためです。

控除上限額は「個人事業が黒字→上がる」「個人事業が赤字→下がる」傾向があるので、給与収入以外も計算できるシミュレーターを使いましょう。

Q6.「共働きです。夫婦で控除額を合算できますか?」

合算はできません!しかし、夫婦で別々にふるさと納税を活用することはできます。

ただし、夫婦のどちらが扶養内の収入で働いている場合は、その人がふるさと納税をするメリットはないでしょう。

ふるさと納税は、高納税者ほど控除上限額が上がる仕組みです。一般的にお得になるボーダーは年収200万円といわれます。

また、ふるさと納税の際は寄付者の氏名にご注意ください。例えば、妻の分のふるさと納税を夫名義のクレジットカードで支払ってしまうと、寄付者は夫と見なされてしまいます。

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ふるさと納税で災害支援もできる

ふるさと納税は、実は災害支援の寄付にも使えます。被災した自治体へダイレクトに支援金が届けられるのが特徴です。

  • 返礼品なしでの寄付になる
  • 災害支援の寄付では、ふるさと納税サイトも自治体から手数料を取らない
  • 税金の控除の仕組みは通常のふるさと納税と同じ

例えば、「さとふる」や「楽天ふるさと納税」でも災害支援ページが設けられています。

またクラウドファンディング型ふるさと納税もあり、被災した事業者などをもっと直接的な形で支援することも可能です(参考:ふるなび「ふるなびクラウドファンディング」)。

災害寄付について、詳しくは下記をご覧ください。

関連記事:「ふるさと納税での災害支援の特徴|実はデメリットも潜んでいる!?

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まとめ:ふるさと納税で賢く節税しよう!

ふるさと納税は、実質2,000円で税金を前払いしつつ返礼品を受け取るお得な制度です。直接的に税金が減るわけではありませんが、返礼品により間接的に節税ができます。

自分の控除上限額を調べ、それをオーバーしないように寄付をすれば基本的に損はしません。

一度やってしまえば簡単なので、ぜひ挑戦してみてくださいね!

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