純金・銀・プラチナ・パラジウムへ手軽に投資!貴金属ETFと投資信託を紹介

純金・銀・プラチナ 金融

ここ数年は右肩上がりとなっている純金・銀・プラチナ・パラジウム相場。

特に金は株式と逆に動きやすいため、リスク分散の意味でもポートフォリオに入れたい人も多いのではないでしょうか?

この記事では、純金・銀・プラチナ・パラジウムの4種を対象とした投資信託と国内・海外ETFを紹介します。

現物積立と比較したときのメリット・デメリットも紹介しますので「貴金属投資をしたいけれど、現物とETFどっちがいいのかな?」と迷っている人はぜひ参考にしてください!

なお純金・プラチナの現物積立に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:「プラチナ・純金積立とは?メリットと注意点、おすすめの4つの運営会社も紹介

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純金・銀・プラチナ・パラジウムの用途と値動きの傾向

投資商品を紹介する前に、まずは過去5年間の純金・銀・プラチナ・パラジウムの値動きを確認してみましょう。

今回は、各貴金属の現物相場に連動するETF「金の果実」シリーズ(1540〜1543)のチャートを使用します。

なおパラジウムだけ価格帯が1桁高いので、2枚に分けてチャートを表示します。

純金(赤)、銀(青)、プラチナ(黄色)

(引用元:モーニングスター、2021年8月16日)

純金(黄)、銀(青)、プラチナ(緑)、パラジウム(赤)

(引用元:モーニングスター、2021年8月16日)

種類 5年前に100万円投資していた場合の評価額(概算)
純金 140.0万円
(騰落率40.0%)
131.0万円
(騰落率31.0%)
プラチナ 98.4万円
(騰落率-1.6%)
パラジウム 394.4万円
(騰落率294.4%)

(注意:上記は税金・手数料を考慮しない場合です)

比べるとパラジウムの好調さが目立ちます。

5年前から1543をバイ・アンド・ホールドしていたら約4倍です。先進国株式に投資するETFは5年間で約1.5倍のため、相場に恵まれた部分もありますが、それでも夢があります!

とはいえ、金と比べて特に銀やパラジウムは荒い値動きです。金と比べてそもそもの市場が小さいため、基本的にハイリスク・ハイリターンと言えるでしょう。

種類 値動きの傾向
純金 「有事の金」。戦争や経済危機、インフレなどのリスクが上がると価格が上昇しやすい。他の貴金属より市場が大きい。
工業用途6割。供給量が多いので比較的安価。景気が良いと価格が上昇しやすい。
プラチナ 工業用途6割。景気が良いと価格が上昇しやすいが、パラジウムに需要を取られてから停滞気味。
パラジウム 工業用途7割。プラチナ代替需要で価格が上がってきた背景がある。景気が良いと価格が上昇しやすい。

経済不安が高まるとリスク回避で買われる金に対して、工業用途での需要に左右される銀・プラチナ・パラジウムは景気に連動しやすくなります。また技術革新などで用途そのものに変化が出ると、直近のパラジウムのように価格も大きく動きます。

「守りのポジションとして持つなら金」「攻めのポジションとしてプラスするなら銀・プラチナ・パラジウム」と考えられますね。

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純金・銀・プラチナ・パラジウムに投資できるETF・投資信託一覧

各貴金属に投資できる国内外のETFと投資信託を紹介します。どれも楽天証券とSBI証券の両方から購入可能です!

ちなみにETF・投資信託には先物に投資する商品(現物の裏付けがない)もあります。

値動きだけを追うならあまり気にする必要はありませんが、長期投資を考えるなら現物の裏付けがあるものがおすすめです。

純金ETF・投資信託

純金に投資する投資信託・ETFは複数あります。他の貴金属と比べて数が多いため、信託報酬や現物裏付けの有無、最低投資額を基準に選ぶとよいでしょう。

国内ETF

日本に上場しているETFは4つあり、そのうち純金上場信託(現物国内保管型)(1540)のみ現物への転換が可能です。

【SPDRゴールド・シェア(1326)】

  • 信託報酬:0.4%
  • 投資対象:金(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:18,190円(2021年8月16日時点)

【NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)】

  • 信託報酬:0.5%
  • 連動指標:金価格連動債券
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:49,250円(2021年8月16日時点)

【純金上場信託(現物国内保管型)(1540)】

  • 信託報酬:0.49%
  • 投資対象:金(現物裏付け)
  • 現物への転換:1kg単位で現物と交換可能(転換には各種手数料・消費税がかかります)
  • 最低投資額:5,950円(2021年8月16日時点)

【WisdomTree 金上場投資信託(1672)】

  • 信託報酬:0.39%
  • 連動指標:金(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:18,390円(2021年8月16日時点)

海外ETF

国内の証券会社から購入できる海外ETFは3つ、いずれも米国籍のETFです。GLMDとIAUは経費率が低いため、米ドルでの投資に抵抗がない人にはおすすめです!

【SPDRゴールド・シェア(GLD)】

  • 経費率:0.4%
  • 連動指標:金(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:166.39USD(2021年8月16日時点)

【SPDRゴールド・ミニシェア(GLMD)】

  • 経費率:0.18%
  • 連動指標:金(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:17.18USD(2021年8月16日時点)

【iシェアーズ・ゴールド・トラスト(IAU)】

  • 経費率:0.25%
  • 連動指標:金(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:33.87USD(2021年8月16日時点)

投資信託

金を対象とした投資信託は多くありますが、信託報酬の観点から積極的におすすめしにくい状況です。

とはいえ金は通貨の影響をうけますので、為替ヘッジをしたい場合はピクテ・ゴールドの為替ヘッジがよいでしょう。

【ピクテ・ゴールド(為替ヘッジ有り)】

  • 信託報酬:0.879%程度
  • 投資対象:外国籍ファンドを通じて金現物へ投資
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:9,972円(2021年8月16日時点)

銀ETF

銀に投資できる投資信託はなく、ETFのみの紹介です。

三菱UFJ信託銀行の1542のみ現物との転換が可能。ただし10万口以上と大口のみになります。

とくに現物転換にこだわらないのであれば、価格・コストの面で1673かSLVがおすすめです。

国内ETF

【純銀上場信託(現物国内保管型)(1542)】

  • 信託報酬:0.59%
  • 投資対象:銀(現物裏付け)
  • 現物への転換:10万口以上で現物に転換可能(転換には各種手数料・消費税がかかります)
  • 最低投資額:7,810円(2021年8月16日時点)

【WisdomTree 金上場投資信託(1673)】

  • 信託報酬:0.49%
  • 投資対象:銀(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:2,412円(2021年8月16日時点)

海外ETF

【iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)】

  • 経費率:0.5%
  • 連動指標:銀(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:21.97USD(2021年8月16日時点)

プラチナETF

プラチナも投資信託はなく、国内ETFのみの紹介です。

海外ETFとしてはPPLTが有名ですが、SBI証券・楽天証券ともに現時点では取り扱っていません。

国内ETF

【純プラチナ上場信託(現物国内保管型)(1541)】

  • 信託報酬:0.59%
  • 投資対象:プラチナ(現物裏付け)
  • 現物への転換:1kg単位で現物に転換可能(転換には各種手数料・消費税がかかります)
  • 最低投資額:3,380円(2021年8月16日時点)

【WisdomTree 白金上場投資信託(1674)】

  • 信託報酬:0.49%
  • 投資対象:プラチナ(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:1,0390円(2021年8月16日時点)

【NEXT FUNDS 日経・JPX白金指数連動型上場投信(1682)】

  • 信託報酬:0.45%
  • 投資対象:プラチナ(先物)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:19,100円(2021年8月16日時点)

パラジウムETF

パラジウムETFも国内ETFのみです。

海外ETFのPALLは、楽天証券・SBI証券ともに現時点で取り扱っていません。

国内ETF

【純パラジウム上場信託(現物国内保管型)(1543)】

  • 信託報酬:0.59%
  • 投資対象:パラジウム(現物裏付け)
  • 現物への転換:3万口以上で現物に転換可能(転換には各種手数料・消費税がかかります)
  • 最低投資額:85,000円(2021年8月16日時点)

【WisdomTree 白金上場投資信託(1675)】

  • 信託報酬:0.49%
  • 投資対象:パラジウム(現物裏付け)
  • 現物への転換:×
  • 最低投資額:26,900円(2021年8月16日時点)
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貴金属の投資信託・ETFのメリットとデメリット

現物積立やインゴット購入と違い、投資信託やETFはペーパー資産です。

積立投資と比較して、貴金属にペーパー資産で投資するメリット・デメリットをまとめます。

投資信託・ETFで貴金属に投資するメリット

現物資産の保有と比較して、メリットは主に以下の2つです。

  • コストが安い
  • 税金が株式と同じ申告分離課税になる

現物の積立では、購入手数料に加えて口座管理手数料や年会費などが掛かります。買付で手数料1.5%〜が目安。ETFや投資信託のほうが投資コストが圧倒的に安く済みます。

また売却益についても申告分離課税の対象なので、一律20.315%です。総合課税の対象となる現物積立と比べると、税金面でもメリットがあると言えるでしょう。

貴金属投資は、サテライトやリスクヘッジとして、他の資産クラスとバランスを取りながら売買したいケースもありますよね。短期取引も想定して投資するなら、ETFや投資信託が断然おすすめです。

デメリット

ほとんどの貴金属のペーパー資産は、インゴットやコインなどの現物へ転換できません。

とくにリスクヘッジの意味合いが強い純金の場合、いざというときに現物にできない点はデメリット

純金上場信託(1540)をはじめとする「金の果実」シリーズは現物にはできますが、単位が1kgと庶民には大きすぎます(参考:三菱UFJ信託銀行「金の果実,転換(交換)の手続き」より)。

対して純金積立なら、5g単位・数万円から転換可能(詳しくは「プラチナ・純金積立とは?メリットと注意点、おすすめの4つの運営会社も紹介」をご覧ください)。

現物受け取りを視野に入れるなら、購入や口座管理にコストはかかっても現物積立が現実的な選択になるでしょう。

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まとめ

純金・銀・プラチナ・パラジウムのETF・投資信託を紹介しました。

投資対象として見たとき、純金以外はファンドのラインナップが少ないため、国内に上場しているETFがメインの投資先になります。

  • 現物積立と比べるとコストが安い
  • 申告分離課税の対象
  • 基本的に現物転換はできない

「インゴットやコインに転換するつもりはないが、貴金属に投資してみたい」という人に貴金属ETFを考えてみてはいかがでしょうか。

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