プラチナ・純金積立とは?メリットと注意点、おすすめの4つの運営会社も紹介

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「守りの資産」といわれる金。金よりも希少性の高いプラチナ。どちらも投資先として人気があります。

しかし「純金積立やプラチナ積立は、投資信託と比べて何が良いの?」「デメリットも多いと聞いたけれど…」と疑問に感じていませんか?

この記事では、次のことを解説します。

  • 金・プラチナの値動きの傾向
  • 金・プラチナ投資の手法としてなぜ積立が良いのか?
  • 純金・プラチナ積立のデメリットとメリットは?
  • 積立するならここ!おすすめの運営会社4つ
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金・プラチナ価格は何に影響されるの?値動きの特徴

金・プラチナは同じ貴金属ですが、値動きの傾向は異なります。

種類 好景気 不景気
下がりやすい 上がりやすい
プラチナ 上がりやすい 下がりやすい

古くから通貨として使われてきた金は、円などの国が発行する紙幣と異なり、破綻リスクがない資産です。そのため、他に魅力的な投資先があるときは鈍い動きになり、経済が不安定になると上がりやすい傾向にあります。

一方、プラチナは工業分野で幅広く使われているため、好景気で需要が増えると価格の上昇につながります。金と比較すると値動きも大きく、ハイリスク・ハイリターンな投資先と言えるでしょう。

もちろん、必ず上記の値動きになるわけではありませんが、プラチナはコモディティ取引に近いという点には注意してください。

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純金積立・プラチナ積立とは?他の投資方法との違いは?

純金・プラチナ積立とは、毎月1,000円などの一定額、または1gなどの一定量で金・プラチナを買っていく投資方法保管は運営会社に任せられ、盗難リスクもないため、少額で貴金属の投資をしたい方に人気があります。

ちなみに、金・プラチナに投資する方法は他にもあります。

  • 現物買い:地金(インゴット)やコインを購入して自分で保管・管理する方法。確実だが盗難リスクがある。
  • 投資信託:金・プラチナ価格に連動する投資信託を所有する方法。少額投資が可能だが、基本的には現物へ交換できない。
  • ETF(上場投資信託):投資信託よりも手数料が安く、市場で売買できる。ETFも基本的には現物へ交換できない。
  • 先物:金・プラチナの先物市場で売買する方法。レバレッジを掛けて取引できるがハイリスク・ハイリターン。

つまり、現物として保有するなら積立か現物買い、ペーパーゴールドなら投資信託やETF、先物となります。

なお現物買い、積立の場合、売却益は譲渡所得として総合課税の対象です。そのため、手数料などを引いた最終的な利益が特別控除50万円を越えたら、確定申告が必要になります。

一方、ペーパーゴールドは株式投資と同様に申告分離課税の対象です。

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純金積立・プラチナ積立はおすすめしない?「やめとけ」「失敗する」と言われる理由

「純金積立」で検索すると、「おすすめしない」「儲からない」などのネガティブなコメントも目につきます。

純金・プラチナ積立の注意点を紹介します。

手数料が高い

純金・プラチナの積立には、下記のような手数料がかかります。

  • 積立手数料(購入手数料)
  • 売却手数料
  • 年会費・口座管理手数料
  • 引き出し手数料(金・プラチナの現物で受け取るときの手数料)

具体的な手数料額はおすすめの運営会社の所で記載しますが、例えば田中金属の場合は次のようになっています(「田中貴金属」公式サイトより)。

積立手数料:代金に対して1.5%~
売却手数料:無料
年会費・口座管理手数料:1,320円(税込、条件により無料)
引き出し手数料:2,200円(税込)+バーのサイズ指定料金など

金の投資信託なら、管理費用は年間で投資額の1%ほど。現物の積立と投資信託では性質が異なりますが、単純な比較だと手数料は高く感じますよね。

スプレッドが高い

金・プラチナにはスプレッドがあります。スプレッドとは、購入するときの金額と売却するときの金額の差のこと。実質的な売買手数料と言ってもよいでしょう。

例えばマネックス証券の純金積立では、約1.8%のスプレッドがあります(2021年3月時点、マネックス証券公式サイトより)

金1gあたりの購入価格:6,145円/売却価格:6,034円

なおプラチナのスプレッドは4.3%ほど。

スプレッドは運営会社によって差がありますが、全体的に「高い」という印象を受けます。短期的な売買には向かないでしょう。

配当・利息がつかいない

金もプラチナも、配当・利息はつきません。

株や債券、不動産と異なり、保有するだけでは価値を生まないためです。

リスク分散の意味では有効な投資先ですが、配当狙いで投資するものではありません。

とはいえ、デメリットのうち「手数料が高い」「スプレッドが高い」という部分についてはETFの活用で軽減できます!

こちらの「純金・銀・プラチナ・パラジウムへ手軽に投資!貴金属ETFと投資信託を紹介」で銘柄を含めて詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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純金積立・プラチナ積立のメリット

デメリットはありますが、それでも金・プラチナの積立は根強い人気があります。

というのも、現物の積立には投資信託やETFにはないメリットがあるからです。

現物と交換できる

現物を積み立てているので、原則として現物と交換できます(できない運営会社もある)。

例えば純金であれば、「有事の金」と言われる通り、価値が高まるのは何らかの非常事態が発生したときです。

そのような場合に金を現物として手にできるのか、ドルや円に換金するしか選べないのかは大きな違いではないでしょうか?

ペーパーゴールドのなかにも、現物への交換が可能だと謳っている商品はありますが、「いざとなったら難しいのでは?」と疑う声は根強いのです(Bloombergより)。

”本物の富裕層は現物の金を買う”と言われるのも、この辺りが理由の1つと言えるでしょう。

少額から投資できる

毎月数千円から買付できるのもメリットです。

少額で現物の金を買い、自分で保管するのは現実的ではありません。

まとまった量を買えずとも、間接的に現物を保有できる点は純金・プラチナ積立の魅力です。

また運営会社によってはスポット購入にも対応しています。

下がったタイミングで大きく買うなど、市況に応じて動けます。

盗難のリスクがない

保管は運営会社で行うため、盗まれる危険がありません。

金庫のある家庭というのも珍しくなりましたので、これもありがたいメリットですよね。

防犯対策にお金を使わずに金・プラチナの現物に投資できると考えると、ペーパー資産よりも手数料が高くなるのも、納得できるのではないでしょうか?

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積み立てるならどこがいい?おすすめ4社を比較

純金積立を取り扱っているのは、証券会社などの取引所か、インゴットなどを扱う地金商です。

おすすめの4社を紹介します。

田中貴金属/三菱マテリアル:地金商。少量からの現物引出しにも対応している。

SBI証券/マネックス証券:証券会社。手数料の安さが魅力。既に証券口座を持っている方なら、簡単に積み立てを開始できる。

なお楽天証券にも純金・プラチナ積立はありますが、現物で引き出せないためここでは紹介しません。

会社名 積立額 スポット購入 手数料
(税込)
年会費・保管料
(税込)
引出し方法
田中貴金属 定額:3,000円以上1,000円単位 買付:
3,000円~2万9,000円⇛2.5%
3万円~4万9,000円⇛2.0%
5万円以上⇛1.5%売却:無料
ネットサービス利用なら無料 5g以上5g単位で引出し

手数料:2,200円
(その他、引出し量による)

三菱マテリアル 定額:3,000円以上1,000円単位 買付:
1万円未満⇛3.1%
1万円以上⇛2.6%売却:無料
880円 5g以上5g単位で引出し

送料:1,650円
(その他、引出し量による)

SBI証券 定額:1,000円単位

定量:1g単位

買付:2.2%

売却:無料

無料 金1kg、プラチナ1oz単位

(現物引出し手数料は都度問い合わせ)

マネックス証券 定額:1,000円単位

定量:1g単位

買付:1.65%

売却:無料

無料 金:100gまたは1,000g単位

プラチナ:引出し不可

送料:2,200円
(その他、引出し量による)

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純金積立・プラチナ積立のよくある質問

積立するにあたって、よくある質問をまとめました。

  • Q1.「純金積立、プラチナ積立にかかる税金は?」
  • Q2.「運営会社がもし倒産したらどうなるの?」

Q1.「純金積立、プラチナ積立にかかる税金は?」

A.「消費税と所得税がかかります。」

消費税

購入時に消費税をプラスした金額を支払い、売却時には消費税をプラスした金額を受け取ります。

購入金額 × 消費税 ー 売却金額 × 消費税 = 差益または差損

所得税

売却での利益は、譲渡所得として総合課税の対象です。譲渡所得の計算方法は、購入から売却までの期間で変わります。

購入から5年以内の売却
売却金額 ー 購入金額 ー 経費 + 他の譲渡所得 ー 特別控除50万円 = 譲渡所得
購入から5年を超えての売却
(売却金額 ー 購入金額 ー 手数料等 + 他の譲渡所得 ー 特別控除50万円)÷2=譲渡所得

ただし、頻繁に売買している場合は雑所得と見なされるケースもあります。不安な方は、地域の税務署に相談してください。

Q2.「運営会社がもし倒産したらどうなるの?」

A.「購入した貴金属の保管方法が「混蔵寄託(特定保管)」か「消費寄託」かで保証が異なります。」

  • 混蔵寄託:運営会社と顧客の資産を完全に切り分けて保管する方法。もし会社が倒産しても顧客の保管分は100%保証されるが、保管手数料などがかかる場合がある。
  • 消費寄託:保管している貴金属の所有権は、運営会社に帰属する。そのため、会社が倒産した場合に保証されないリスクがある。各種手数料が安めになるのがメリット。

なお、混蔵寄託で保管しているのはSBI証券、田中貴金属、三菱マテリアル(金のみ、混蔵寄託は別途保管料が必要)です。
マネックス証券は消費寄託になります。

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純金積立・プラチナ積立のまとめ

純金・プラチナ積立投資について紹介しました。

「有事の金」「好景気のプラチナ」のどちらも魅力がありますが、特に金はインフレヘッジとして人気です。

金・プラチナの現物に積立投資には、次のメリットがあります。

  • 現物の形で引き出せる
  • 少額から積み立てられる
  • 盗難リスクがない

短期売買ではなく、万が一の備えとして金・プラチナに長期的に投資したい方向けの金融商品と言えます。

また純金積立・プラチナ積立を扱っている運営会社はいくつかありますが、手数料や現物引出しの条件には各社で差があります。

  • 田中貴金属/三菱マテリアル:現物の金・プラチナを少量からでも引出したい方向け。
  • SBI証券/マネックス証券:主に金やプラチナの値上がり益を期待したい方向け。

手数料、現物引出しなどを総合的にみると田中貴金属がバランスがよく、特におすすめです。

現物資産の金・プラチナ。投資先の1つとして、ぜひ検討してみてください。

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