「ふるさと納税で災害支援ができると聞いたけれど、デメリットはないの?普通のふるさと納税と何が違うの?」
災害寄付の方法はいくつもありますが、ふるさと納税の仕組みを利用すると簡単です。
しかし、ふるさと納税での災害寄付には”不公平”というデメリットが潜んでいるのをご存知でしょうか?
この記事では、下記の内容を解説します。
- ふるさと納税で行う災害支援の特徴とデメリット
- それでもふるさと納税で災害支援をする魅力
デメリットを理解し、被災地へよりしっかり善意を届けられるようになりましょう!
ふるさと納税での災害支援の特徴
ふるさと納税は、地方自治体への寄付で所得税・住民税の一部が還付・控除される仕組みです。寄付額に応じた返礼品が寄付先の自治体から受け取れるため、実質的な節税方法として人気があります。
ふるさと納税制度の詳しい仕組みや利用上の注意点については「ふるさと納税の仕組みとは?注意点や災害支援についても紹介」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
では”ふるさと納税での災害支援”は通常のふるさと納税と何が違うのでしょうか?ポイントは3つです。
- 返礼品がない
- 被災した自治体は手数料なしで寄付金が募れる
- 赤十字などへの寄付もふるさと納税になる
1.返礼品がない
通常のふるさと納税では寄付をした自治体の地場産品が返礼品として受け取れますよね。しかし災害支援での寄付の場合は、返礼品がなく、純粋な寄付になります。
災害支援を受け付けている自治体は、ふるさと納税サイトの災害支援ページから確認できます。
なかには通常のふるさと納税も併行して支援窓口を開いている被災自治体もありますが、災害支援での寄付には返礼品がないと明記してあるため、迷うことはないでしょう。
2.被災した自治体は手数料なしで寄付金が募れる
通常のふるさと納税では、ふるさと納税サイトが自治体から手数料を取っています。サイト維持費や広告費に必要な部分ですね。
しかし災害支援の場合、ふるさと納税サイトは自治体から利用料を徴収しません。
中抜きされることなく、きちんと自治体へ善意を届けられる仕組みとなっています。
3.赤十字などへの寄付もふるさと納税になる
ふるさと納税の対象は自治体への直接寄付だけではありません。災害救助法の適用を受けた災害については日本赤十字社や中央共同募金会への寄付もふるさと納税として扱われます。
ただし、下記の点に注意してください。
つまり、どこの災害を対象としているか曖昧な団体や募金意図が不明瞭な団体への寄付は無効です!募金要項をよく確認し、適用されると明らかなものだけに寄付しましょう。
(参考:総務省ホームページ「ふるさと寄付金など個人住民税の寄付金税制」より)
ふるさと納税での災害支援のデメリット
ふるさと納税での災害支援は、制度の仕組みゆえにデメリットもあります。
直接被災者へ届くわけではない
一般的にふるさと納税は「義援金」ではなく「支援金」です。
「支援金」と「義援金」は同じような意味に見えますが、募金の使われ方が違います。
最終的に被災地と被災者のためになる点は同じですし、赤十字などは義援金です。ただ「被災者へカンパしたい」という場合は、目的とズレやすいかもしれません。
自治体間で寄付額の差がでやすい
ふるさと納税は、台風や大規模な地震といった広域災害への支援には向かないと言われます。
人の気持ちとして、悲惨な被災状況が報道されればその地域を応援したくなるもの。しかし、マスコミはすべての被災地を公平に報道できるわけではありません。
結果として「被害状況が報道された自治体には支援金が集まり、露出の少ない地域はスルーされてしまう」「被害状況をうまく伝えられる自治体が有利になる」という不公平が発生しやすくなるのです。
公平に寄付したい場合は、報道だけを参考にしない姿勢が必要です。
デメリットはあるが、ふるさと納税での災害支援は魅力も大きい
仕組み上のデメリットがあるとはいえ、被災地へダイレクトにお金を届けられる点はふるさと納税のメリットです。民間団体へ寄付するような「本当にちゃんと使われてるの?」という心配もありません。
また代理寄付も広がっています。
代理寄付とは、被災した自治体に代わって他の自治体が寄付金を集める仕組みです。2016年4月の熊本地震から始まりました。
災害発生直後の被災地はパニック状態です。支援金を受け付けたくてもそこまで手が回らないのが実情。そこで被害を受けていない自治体が代理を勤めるわけですね。
被災地に負担をかけることなく、きちんと善意を届けられる点はふるさと納税の魅力といえるでしょう。
まとめ
税金の控除が受けられ、クレジットカードで簡単に寄付できるふるさと納税の災害支援。返礼品なしにはなりますが、下記のような魅力があります。
ただし、その仕組ゆえのデメリットもあります。
災害支援をする際は上記のデメリットをきちんと把握し、報道で見た自治体だけでなく、近隣の被災自治体に分けて寄付するなどの工夫も必要といえるでしょう。
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