現在、日本のいたるところで地震や津波など様々な災害が起こっています。
ところが、実際には「災害大国・日本」で暮らしているという自覚がある方のほうが少ないのです。「いやいや、ちゃんと備えているよ!」という方もいるかもしれませんね。実に素晴らしいことです!
でも、愛猫の防災対策は完璧ですか?
人間の防災対策は完璧でも、ペットの防災対策をすっかり忘れてしまっていた!なんて人が意外にも多くいます。さらに、彼らは緊急時だからと言って素直に言うことを聞いてくれるとは限りません。むしろ、緊急時だからこそパニックを起こして行方不明になってしまう例が非常に多いのです。
いざというとき、大切な猫を守れるように備える術をお伝えします。
猫のための防災対策
まずは、人間の防災対策と同じように猫に合わせた対策を練ることから始めましょう。
「当たり前でしょ!」と思ったそこのあなた、そうですよね、そう思うに決まっています。
ですが、この当たり前ができていない方がとっても多いのです。
突然ですが、ちょっと想像してみてください。
今あなたは道に迷っています。右手にはスマホがあります。
さぁ、目的地にたどり着くためにまずあなたは何をしますか?
スマホで道を調べて、その通りに進みますよね?
さて、防災対策の話に戻ります。
なんでこんなたとえ話をしたかというと、同じ原理でネットの情報を鵜呑みに防災セットを用意した結果、猫に必要なものが全然そろっていなかった!なんてことが実際に起きているからです。
備えておくべき5つのモノ
猫のための防災対策をするうえで、備えておくべきものが5つあります。
ただ、先ほどお伝えした通りこの情報をただ鵜呑みにするのではなく、ご自身の飼っている猫に合わせてカスタマイズすることも大事です。
たとえば、布のキャリーだと爪でひっかいて破ってしまうからプラスチック製のクレートを用意しておこう、とか。
そのあたりは、猫のことを熟知した飼い主さんの判断が一番正解です。
①キャリー(クレート)
災害時、パニックになった猫が迷子にならないように。
不特定多数の人が集まる避難所でも必需品です。
布製のソフトタイプ、プラスチック製のハードタイプが主流です。猫に合わせて用意してくださいね。
②食べなれているご飯
強いストレスを感じている中、いつもと違うご飯だと食べないこともあるようです。最低でも一週間分は用意しておきましょう。
普段ウェットフードを与えている場合は、開封したウェットフードを保管しておくための密閉容器も用意しておくのが無難です。
飲み水をペットボトルで用意する場合は、硬水ではなく軟水を選びましょう。
硬水だとミネラル分が多すぎて、猫が体調を崩してしまうことがあります。
③トイレ用猫砂
犬のように外で用を足せる猫はとても少ないです。
トイレを丸ごと持っていくことは出来ませんが、段ボールなどに猫砂を敷けば簡易トイレになります。
④首輪
万が一迷子になってしまったとき、首輪に迷子札があれば戻ってくる確率が跳ね上がります。野良猫との区別化のためにも必ずつけておきましょう。
⑤薬
継続的に飲んでいるお薬があれば必ず多めに用意しましょう。
さて、猫の防災対策のために備えておくべきモノを5つ紹介し終わったんですが、ここまでは必ず用意が必要なものです。
ここから先は、あってもなくてもいいけどあったほうが断然便利!というものを紹介していきます。
・ハーネス・リード
避難所などでは、自由に歩かせることが難しいです。ハーネスやリードがあれば安心ですね。
・ペットシーツ
おしっこの管理や、けがをした時の止血パッドとしても活用できます。
・ペット手帳
猫の情報(写真付き)・飼い主の氏名・住所・連絡先が記載しているもの。
・ガムテープ
キャリーやクレートが万が一壊れてしまった時の補強などに役立ちます。
・食器
衛生面を考えなければなりません。いつもの食器にラップをして使うか、使い捨ての紙皿を猫の分も用意するのかは、飼い主さん判断で。
・洗濯ネット
これは猫の性格によりますが、怖がりな子は洗濯ネットに入れると落ち着くことがあるようです。
・バスタオル・ブランケット
キャリーやクレートに被せて、防寒対策に。
・排泄袋
防臭処理がなされたものがおすすめです。
キャリーやクレートへの避難訓練
猫はもともと、とっても警戒心が強く、驚くとすぐに隠れてしまう生き物です。
慣れていないと、緊急時にスムーズにキャリーやクレートに入ってくれる猫はなかなかいません。
日頃から「キャリーは安全な場所」「クレートは怖くない」という意識を植え付けておけば、災害時にキャリーやクレートに隠れてくれる可能性が高いです。
もし仮にそうならなかったとしても、慣らしていればすんなり入ってくれることのほうが多いです。災害時に慌てないために、日頃からの訓練をしておきましょう。
ワクチン・予防接種は必ず済ませる
避難所は閉鎖的で病気が広がりやすいうえ、猫が脱走してしまう可能性もあります。
混合ワクチンの接種、ノミ・マダニなどの寄生虫駆除薬も忘れずに投与しましょう。
ワクチンを打っていないと、受け入れてくれない避難所もあります。
さらに、災害時には思わぬ体調不良が起こる可能性もあります。
言わずもがな、猫などの動物は言葉が話せないため体の不調や痛みを感じても、飼い主さんに伝えることができません。
そのため、飼い主さんが気付いた時には手遅れに……。なんてことがあったら大変ですよね。
そうならないために、定期的に健康診断を受けて、猫の平常時の基礎データを把握しておくことも大事です。
においがついたものがあると安心
警戒心が強い猫にとって、災害時のような慣れない環境は強くストレスを感じます。
人間もそうですが、ストレスを感じすぎると体調を崩してしまうことが多々あります。
バスタオルやブランケットなどは寒さを防ぐためにも使えますが、猫にとってもなじみがあり、さらにお家のにおいが染みついているようなものであれば、猫のストレスも少しは軽減されるかもしれません。
嗅ぎなれたお家のにおいって落ち着きますよね。猫も同じです。
飼い主さんの安全を第一に動こう
言うまでもなく、猫の安全のためには飼い主さんの安全が必要不可欠です。
しかし、災害時の避難所はまだまだペット同伴可能なところが少なく、受け入れてもらえないところが多いです。
猫と一緒には入れない、しかし車もないとなれば、野宿するわけにはいきません。
かといって、避難勧告が出ている自宅に戻るのは高いリスクがあります。
猫は縄張りを大切にする動物のため自宅に残っていてくれるだろうと、一週間分の飲み水とご飯を用意し、泣く泣く自宅に残していった方も実際にいたそうです。
家族同然の猫を残していくのは胸が張り裂けるほどつらいと思います。
想像するだけで涙が……。
しかしそれほどまでに、飼い主さんの身の安全が第一に優先すべきされるものだということ。
前述の方のような例はまれだとは思いますが、災害時には何が起こるかわかりません。日頃から防災対策として、猫を避難所に受け入れてもらえなかった場合にどうするかを考えておく必要もあります。
まとめ
いかがでしたか?
猫の防災対策のために必要なことをお伝えしてきました。
お役に立つことは出来たでしょうか?
地震や津波など、自然災害はいつ起こるかわかりません。
もしも、猫が脱走して迷子になってしまったら……。
もしも、避難所に受け入れてもらえなかったら……。
もしも、慌てて避難して猫のご飯や薬を忘れてしまったら……。
「もしも」の時に愛する猫を失わないために、防災対策をきっちり備えておきましょう!
コメント