国策!日本のクリーンエネルギー関連銘柄を紹介!おすすめの投資信託やETFも

クリーンエネルギー金融

経済産業省が2021年10月に発表した第6次エネルギー基本計画によると、2050年のカーボンニュートラルに向け、クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)は最大限の導入を進めるとされています(参考:経済産業省「第6次エネルギー基本計画」より)

クリーンエネルギーは中長期的な国策テーマとして、今後も注目が続くと期待できるでしょう。

今回は、日本のクリーンエネルギー関連銘柄と、クリーンエネルギー設備に投資できるインフラ投資法人、海外ETFについて紹介します。

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クリーンエネルギーとは?

クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)は、おもに以下の5つの自然現象を利用して発電したエネルギーを指します。

  • 太陽光
  • 風力
  • 水力
  • 地熱
  • バイオマス

クリーンエネルギーの特徴は、自然現象ゆえにエネルギー源が枯渇する心配がなく、また現在主流の火力発電と違って温室効果ガス(二酸化炭素など)をほとんど排出しないこと。大気汚染や地球温暖化の原因となる物質を排出しないため、”クリーン”エネルギーと呼ばれるわけですね。

なお原子力発電も温室効果ガスを排出しませんが、使用済み核燃料などの問題があるため、クリーンエネルギーに含めるかどうかは意見がわかれます。

日本のクリーンエネルギーの見通し

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、日本は次の2本柱でエネルギー計画を策定しています。

  • エネルギー消費量を減らす(省エネ化)
  • 火力発電を減らし、クリーンエネルギーと原子力を活用する

中間目標となる2030年の電源構成の目標は下表の通り。

種類2019年度2030年度(目標)
再エネ
(クリーンエネルギー)
18%36〜38%
原子力6%20〜22%
火力発電76%41%

(経済産業省「2030年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」より作成)

ここで「え?原子力?」と思った人もいるかもしれませんが、小型原子炉(SMR)の登場で原子力発電は安全性・コストともに改善しています。以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある人はあわせてご覧ください。
関連記事:「小型原子炉(SMR)関連銘柄一覧!注目される背景から株・米国ETFまで紹介

またクリーンエネルギーのうち、地熱発電についても個別に関連銘柄を紹介しています。
関連記事:「再生可能エネルギーのひとつ・地熱発電の関連銘柄を紹介!

災害大国・日本のクリーンエネルギーが抱える課題

クリーンエネルギーは以下のような課題を抱えています。

  • 自然条件に依存するため、安定した電力供給に不安がある
  • 災害などの突発的なトラブルに弱いものもある

災害の多い日本にとって、発電方法のトラブル耐性は非常に重要。各発電方法と災害耐性をざっくりまとめると下表のようになります。

発電方法災害などのトラブル耐性
バイオマス・水力・地熱発電強い
太陽光・風力発電弱い

火力発電のようにタービン発電ができれば災害への耐性が比較的強く、できなければ弱いとざっくり考えてください。

とはいえ、すべての地域で災害に強い発電方法を導入できるわけではありません。例えば台風被害の多い沖縄離島であっても、太陽光や小型の風力発電を活用している例は多くあります。

安定した電力供給を実現するためには、クリーンエネルギーだけでなく、火力や原子力といったほかの方法との組み合わせが重要になるといえるでしょう。

(参考:経済産業省エネルギー庁「再エネと安定供給~求められる「発電を続ける力」」)

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日本のクリーンエネルギー関連銘柄一覧

コード銘柄名内容
1407ウエストHD太陽光発電の設置・保守や売電事業
1434JESCO HD太陽光発電の設置工事
1605INPEX太陽光、風力、地熱発電事業
3647ジー・スリーHD太陽光発電関連事業
5020ENEOS HD太陽光、風力、バイオマス発電事業
5074テスホールディングスクリーンエネルギー発電所のEPCと発電事業
6361荏原水力・風力発電向けポンプ
6504富士電機水力・風力発電システム、地熱発電向けタービン・プラント
6508明電舎太陽光・水力発電システム
6593三菱HCキャピタルクリーンエネルギー向けの設備・機器リース
7004日立造船洋上風力発電
7013IHI子会社が太陽光・風力・バイオマス発電の設備を手掛ける
8001伊藤忠商事国内外のクリーンエネルギー発電事業を展開
8005三菱商事子会社がクリーンエネルギー発電事業を手掛ける
9514エフオンバイオマス発電事業
9517イーレックスバイオマス発電事業
9519レノバ太陽光、洋上風力、バイオマスなどの発電と開発・運営

地熱発電に特化した銘柄は「地熱発電銘柄一覧」をご覧ください。

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おすすめ!クリーンエネルギー関連株の投資法人・ETF

ここからはクリーンエネルギー関連株に投資できるETFと、クリーンエネルギー発電設備に投資できる投資法人を紹介します。

なお投資信託は、信託報酬が高かったり、他のテーマも組み合わさっていたりでおすすめできそうなものはありませんでした。

※情報はSBI証券を参考。2021年12月9日のものです。

インフラ投資法人

投資法人とは投資目的で設立された会社のことです。

クリーンエネルギーに関連する投資法人としては、太陽光発電設備などに投資するインフラ投資法人(インフラファンド)があげられます。設備を事業者に貸し出すことで利益を上げるビジネスモデルであり、仕組みはJ-REITと同じです。

日本のインフラ投資法人は、現在7つあります。

コード銘柄名投資口価格利回り
9281タカラレーベン・インフラ投資法人107,500円6.31%
(5、11月)
9282いちごグリーンインフラ投資法人投資証券66,600円5.92%

(6月)

9283日本再生可能エネルギーインフラ投資法人投資証券104,900円6.10%
(1、7月)
9284カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人投資証券124,900円6.00%
(6、12月)
9285東京インフラ・エネルギー投資法人投資証券98,000円6.23%
(6、12月)
9286エネクス・インフラ投資法人投資証券88,400円6.80%

(11月)

9287ジャパン・インフラファンド投資法人投資証券91,300円6.44%

(5、11月)

クリーンエネルギーといいつつも、どの投資法人も実質的には太陽光発電設備への投資が中心。エネクス・インフラ投資法人が、スポンサーパイプラインで風力・水力発電設備を持っているくらいです。

とはいえ、インフラ投資法人は高利回りが魅力的。太陽光発電設備に絞ってもよいならおすすめです。

ETF

クリーンエネルギーETFは米国ETFがメインです。

ティッカー:ICLN

  • 銘柄名:iシェアーズ GlobalクリーンエナジーETF
  • 株価:23.00ドル
  • 利回り:0.76%(6、12月)
  • 経費率:0.42%
  • ベンチマーク:S&Pグローバル・クリーン・エネルギーインデックス
  • 投資地域:全世界

ティッカー:PBD

  • 銘柄名:インベスコ・グローバル・クリーン・エネルギーETF
  • 株価:28.53ドル
  • 利回り:0.5%(3、6、9、12月)
  • 経費率:0.75%
  • ベンチマーク:ワイルダーヒル新エネルギーグローバル・イノベーション・インデックス
  • 投資地域:全世界

ティッカー:QCLN

  • 銘柄名:インベスコ・グローバル・クリーン・エネルギーETF
  • 株価:73.09ドル
  • 利回り:0.11%(3、6、9、12月)
  • 経費率:0.6%
  • ベンチマーク:ナスダック・クリーンエッジ・グリーンエナジー指数
  • 投資地域:アメリカ

経費率や全世界への分散性から見ると、おすすめはICLNです。

ただし、騰落率を見るとQCLNが頭1つ抜けています。これはQCLNの構成銘柄が米国企業中心であり、とくに構成率トップがテスラというのも大きいでしょう。なおテスラは家庭用蓄電池も扱っているため関連銘柄には違いありません。

まとめ

クリーンエネルギーの推進は国策であり、世界的な脱炭素の流れにも乗っている注目テーマです。

国内の関連銘柄以外にも、利回りを重視するならインフラ投資法人、全世界に分散投資をするなら海外ETFが選べます。

クリーンエネルギーは今後も普及が進むと期待できますので、興味が湧いた人はぜひ投資を検討してみてください。

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