洋上風力発電の関連銘柄一覧!日本のクリーンエネルギーの切り札になる!?

風力発電 金融

脱炭素の流れが加速するなかで、日本の再生可能エネルギー(クリーンエネルギー)の切り札と目されているのが洋上風力発電です。

洋上風力発電について、日本政府は2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万kW~4,500万kWの案件形成を目標に掲げています(参考:「洋上風力産業ビジョン(第1次)」)。

この記事では、洋上風力発電の概要と将来の展望、そして洋上風力発電の関連銘柄を紹介します。

なおクリーンエネルギー全体の話は下記の記事で紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。
関連記事:「国策!日本のクリーンエネルギー関連銘柄を紹介!おすすめの投資信託やETFも

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洋上風力発電とは?普通の風力発電との違い

洋上風力発電とは、海上や湖上で行う風力発電のことです。

洋上風力発電のメリットは以下のとおり。

  • 地形によらず設置できる
  • 風車を大型化しやすい
  • 近隣への影響が小さい
  • 経済波及効果が期待できる

人の生活圏から離れた沖合に設備を作れるため、騒音や安全面での制限がありません。また風を遮るものがないため、陸地よりも安定した発電が可能。

さらに、発電設備に必要な部品数が数万点と多く、関連産業の活性化も期待できます。

洋上風力発電はまさに一石三鳥の再生可能エネルギーなのです。

洋上風力発電には「浮体式」と「着床式」がある

洋上風力発電は大きく2つに分類されます。

  • 「浮体式」海の上に風車を浮かべる方式
  • 「着床式」浅瀬に脚を組んで風車を設置する方式

欧州を中心に実用が進んでいるのは着床式ですが、四方を深海に囲まれ、遠浅の海が少ない日本の本命は浮体式

浮体式の実用化は戸田建設がすでに着手しているものの、まだ送電技術やコスト面で課題が残っている状況です。本格的な実用化を目指し、政府も実証研究を進めています。

2030年には国内市場規模が9200億円まで拡大する見込み

矢野経済研究所の予測によると、2020年時点で20億円ほどだった洋上風力発電の国内市場規模は、2030年には9,200億円まで拡大するとのこと。

この予測のポイントになるのが「日本版セントラル方式」の導入です。

洋上風力発電設備を構築するとなると、長期でその海域を専有することになります。しかし、民間事業者が候補エリアの調査や地元関係者との調整を個々に行うのは負担が大きく、非効率です。そこで政府主導で洋上発電の促進区域を定め、事業者が発電所の建設からスタートできるように環境を整えようというのがセントラル方式です。

日本は2019年4月に再エネ海域利用法を施行し、2021年より北海道・山形・岩手県沖3海域で日本版セントラル方式の実証事業を展開しています。

今後はアジア市場の急拡大が期待されている

現在の洋上風力発電は欧州中心ですが、今後はアジア市場の拡大が期待されています。

前述したとおり、洋上風力発電は多くの部品が必要。日本国内でサプライチェーンが形成できれば今後のアジアへの進出も有利です。

政府は補助金・税制などによる設備投資支援を検討しています。

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洋上風力発電の関連銘柄一覧

コード 銘柄名 内容
1860 戸田建設 浮体式洋上風力発電設備を国内で初めて実用化
1893 五洋建設 海洋風力発電設備の建設
5020 ENEOS HD 浮体式洋上風力発電の開発に着手
5021 コスモエネルギーHD 洋上を含む風力発電事業に取り組む
5801 古河電気工業 送電ケーブルの開発
5802 住友電気工業 送電ケーブルの開発
5817 JMACS 送電ケーブルの開発
6472 NTN ベアリング(軸受)大手。風力発電向けの軸受など
6506 安川電機 風力発電用の発電機など
7004 日立造船 洋上風力発電の基礎部分を生産
9513 J-POWER 英国で洋上風力発電所を建設中
9519 レノバ 再生可能エネルギーのベンチャー。洋上風力発電も手掛ける
9755 応用地質 海底地盤調査

ここからは、上記のなかで特に注目できる銘柄を紹介します。なお情報はSBI証券および各企業の公式サイトから取得しました。(2021年12月時点)

五洋建設(1893)

  • 市場:東証1部(建設業)
  • 配当利回り:3.47%(3月配当)
  • PER/PBR:8.86倍/1.19倍

海洋土木の最大手。国内の着床式洋上風車の建設で多くの実績があり、また浮体式においても開発を進めています。

株価は、長期で右肩上がりですが、ここ数年でボックス相場を形成中。国土強靭化にも絡んでいるため、底堅い値動きが期待できます。

戸田建設(1860)

  • 市場:東証1部(建設業)
  • 配当利回り:2.74%(3、9月配当)
  • PER/PBR:12.61倍/0.71倍

準大手ゼネコン。洋上風力発電では浮体式の技術開発に注力しています。2016年に国内初の浮体式洋上風力発電設備(2MW)を実用化しました。

国内で最も浮体式の実用化を進めているのは戸田建設と見られており、テーマとともに注目されると期待できます。

応用地質

  • 市場:東証1部(サービス業)
  • 配当利回り:2.98%(6、12月配当)
  • PER/PBR:23.21倍/0.75倍

地質調査や建設コンサルの大手。海底探査も手掛けており、国内の洋上風力発電の海底地盤調査では最大シェアを誇ります。

NEDOにも採択され、直近でも洋上風力発電での地質調査が伸びて増益となっています。今後も市場拡大の恩恵を受ける可能性が高い銘柄といえるでしょう。

ユニバンス

  • 市場:東証1部(輸送用機器)
  • 配当利回り:0.84%(3、9月配当)
  • PER/PBR:6.2倍/0.86倍

自動車や農機の駆動系部品を手掛ける会社です。これまでの技術を使い、風力発電の増速機(風車の回転を増幅させ、発電を効率化する部品)への参入を表明しています。現在の主力は自動車向けですが、今後の洋上風力発電市場の拡大を見据え、新事業として注力していくとのこと。

増速機は風力発電に必須の部品の1つですので、今後の進捗に注目です。

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まとめ

洋上風力発電について、日本は2030年までに1,000万kWの導入を目指しています。しかし現在は足場固めの段階であり、まだ発展途上といえるでしょう。

とはいえ、洋上風力発電は再生可能エネルギーのなかでも国がとくに力を入れている分野の1つ。今後の銘柄動向には注目です。

 

なお、ほかの再生可能エネルギーについては以下の記事でまとめています。
関連記事:「国策!日本のクリーンエネルギー関連銘柄を紹介!おすすめの投資信託やETFも
関連記事:「再生可能エネルギーのひとつ・地熱発電の関連銘柄を紹介!

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